[白川郷の魅力] 雪下ろしの作業を軽くするために急斜面となった屋根。満遍なく屋根に太陽を当て、南北からの強い風を避けるため、一様に東西方向に屋根を広げた合掌造りの集落。生活の知恵に基づいた秩序が、猥雑な都会では醸し出せない美しさを生み出している。だから、その秩序を乱すものは醜く目立ち、風景を台無しにしてしまうものだが、白川郷においては美しい風景を守ろうという努力がひしひしと伝わってくる。その努力が観光客に媚びるようなものになれば逆説的だが人は遠のくし、かといって時代の流れに飲まれるような暮らしをしていたらプレハブの家ばかりになるだろう。そういう意味では、綱渡りのように難しいバランスを必死に保とうとしている、白川郷の保存に関わる人々に敬意を表したい。
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童心に戻って楽しくなる風景
合掌造りの家屋を草花が彩る
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