満月が淡く照らすタージマハル
夜明けとともに赤みが増す
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[夜明けのショー] 満月の日にタージマハルを鑑賞するのはポピュラーだが、月明かりに浮かび上がる妖艶な姿だけで満足するのはもったいない。せっかく高い入場料を払うのだから、太陽が完全に昇るまでのショーをじっくり鑑賞したい。まだ闇が支配的な時間に墓廟に上ってみる。裸足で踏む大理石の床は意外に生暖かく、足裏に砂がざらつく。空がピンク色に染まり始めるとタージマハルは輪郭を濃くする。朝日が完全に顔を出すと、タージマハルは桃色から橙へとわずかな時間で変化し、さあ燃えるような赤になっていくのかと期待していると色はすっと抜け本来の白に落ち着く。まるで狐につままれたようだったが、その白は目が覚めるような優美さを備え、ただ見惚れているしかなかった。
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