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◆夫婦で世界一周





写日記08.締めはグランドキャニオン!

アメリカ(グランドキャニオン国立公園サウスリム)

2007年9月19日〜21日



グランドキャニオンのノースリムは訪れたものの、夕焼けも朝焼けも見てないし、サウスリムのほうが見応えがあると感じたのは以前ここで書いたとおりである。


だからレンタカーの返却日が迫るに連れて、「嫁さんにサウスリムも見せてあげないと」という気持ちが高まっていた。と同時に、グランドサークルの旅を締めくくるにふさわしいのはやっぱりグランドキャニオンじゃないかと思うようになっていた。


しかし、サワロ国立公園を出たのが19日の午後1時。一方、レンタカーは21日の午前8時にロサンゼルスで返すことになっているので、20日の昼過ぎにはグランドキャニオンを発たなくてはならない。となると、夕焼けを見るにはこの日がラストチャンスというわけだ。


だから、サワロ国立公園を出てからはほとんど休みもなしにひたすら飛ばした。「それだったら、最初から早起きして頑張れよ」という突っ込みは聞こえないことにしておく(笑)。


で、結果から言うと夕焼けには間に合わなかった。夕焼けの名残らしきものは見られたが、日没前のダイナミックな変化は見逃した。しかし不幸中の幸いと言うべきか、キャンプ場は空いていたので、公園内で一泊し翌日の日の出に賭けることにした。


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日没には十分ほど間に合わず。無念……


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晩飯は豪華にビーフシチューで元気付け


で、翌朝。また寝坊しました、といけばネタ的にはおいしいが、さすがにこの日はしゃきっと起きてグランドビューポイントへ。このポイントへは無料のシャトルバスが走っていないので全然人気がなく、いたのは僕ら二人だけ。凍えながら空が明るくなるのを待つ。


空の大部分は群青色。グランドキャニオンもうっすらとしたシルエットでしかない。カラスの群れが目の前を旋回しており、なんだか荒涼とした光景だ。


しかし、地平の向こうに隠れている太陽が徐々に空を照らし、雲を赤く染め上げると、荒涼という表現は荘厳に一転する。実に壮大で美しい。色合いが刻一刻と変化し、それとともにグランドキャニオンの印象も変わっていく。一瞬ともその変化を見逃したくない。


太陽が昇り始めると、陰影の濃かった峡谷は徐々に白けた茶色となり、青空とのコントラストがまぶしくなる。そうなると、この大峡谷は雄大という印象だけを残して、ほとんど変化しなくなった。


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ほのかに空が明るくなってくる


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夜明け前、グランドキャニオンはドラマチックに変化する


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やっと顔を出した太陽


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朝焼けのグランドキャニオン


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太陽が完全に昇ると雄大さが際立つ


期待以上のグランドキャニオンの朝焼けを堪能し満足はしたのだが、「ならば夕焼けも!」と欲が出るのが人間のサガ。英語での電話のやり取りは不完全な上にぐったり疲れるのでできれば避けたいが、この際仕方がない。レンタカー会社に電話し一日延長、そしてキャンプ場にもう一泊することにした。


夕方まではたっぷり時間がある。キャンプ場の木陰で昼寝をしたり、八年前僕がグランドキャニオンの底までトレッキングしたときのトレイルを少しだけ歩いたり、最高にうまいアイスクリームを頬張っているうちにいい時間になってきた。


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日なたは暑いし、木陰は肌寒い。昼寝もなかなか難しい


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昔歩いたブライトエンジェルトレイルで思い出に浸る


夕日スポットとして有名なホピポイントには既に多くの観光客が集まっていた。朝のような静かな鑑賞は望めなさそうだ。そして、西の低い空には残念ながら厚い雲がかかっている。時折、その雲間から射す光も幻想的だったが、今僕たちが見たいのは燃え立つような真っ赤なグランドキャニオン。


しかし、願いも虚しく太陽はある程度グランドキャニオンを赤く染めると、さっさと厚い雲の向こうに消え、そのまま沈んでいった。


残念としか言いようがないが、悔いはなし!僕らに残された最後の仕事は明日無事にロサンゼルスに到着することだ。


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これはこれできれいだけど……


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この赤さをピークにグランドキャニオンは暗くなっていった


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太陽は厚い雲の向こうに


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最後の朝、グランドキャニオンと記念撮影



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