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◆夫婦で世界一周





写日記09.しばし充電

アメリカ(ロサンゼルス周辺)

2007年9月21日〜27日



多少のトラブルはあったがグランドサークル周遊も無事終わった。このあとは、サンディエゴからメキシコへ入国する予定だが、できれば快適で何でもそろうアメリカで中米の旅に向けた準備を整えたいところだ。


大変ありがたいことに僕のいとこがロサンゼルスとサンディエゴの間にあるサンクレメンテという町に住んでいる。八年前、一人でアメリカを旅したときにも世話になったのだが、今回もずうずうしく二人でお邪魔することにした。


八年ぶりに再会した一朗君は八年も歳を重ねたようには見えなかった。奥さんのアンドレアとは今回が初対面だが、チャーミングな笑顔で迎え入れてくれてほっとした。自宅が兼オフィスにもなっているので、一朗君のビジネスパートナーであるスコットにもご挨拶。


日本、ブラジル、アメリカと居を移してきた一朗君は日本語、ポルトガル語、英語が話せる。ブラジル人のアンドレアはポルトガル語と英語、アメリカ人のスコットは英語、そして僕らは日本語と下手な英語。というわけで五人で食卓を囲むと三つの言葉が飛び交うが、やはり英語が優勢なのでついていくのに必死だった。


平日はホームページを更新したり、車を借りてスーパーやアウトドアショップに買い出しに出かけたりと、僕らは旅の体制を整えることに時間を費やした。一朗君のアドバイスでトランシーバーを購入したので、これは今後、別行動をしたいときや万が一はぐれたときには心強いツールになるだろうと期待している。


一朗君の仕事が休みの日にはロサンゼルスの案内をしてもらった。日本食材を買い足すためにリトルトーキョーへ連れていってもらったが、周辺はあまり治安のよくないダウンタウンということもあり静まり返っている。日本の景気がよかったころはもっとこの辺も賑わっていたという話を聞き、複雑な心境になる。


日本が世界に対して存在感を強めることができたのは、製造業を中心とした強い経済力のおかげだ。僕らがそもそもこうやって世界一周なんてできるのもそれにあやかっているところが大きい。だから、日本にいるときにはむしろ経済成長の観点でしか語られない母国の将来設計に嫌気が差すときがあるが、旅をしているときは日本の経済力に感謝し、応援したくなるのである。まことに勝手ではあるが……。


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リトルトーキョーはちょっとした観光地になっている


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顔が思わず緩んできちゃいます


次に連れていってもらったのがゲッティー美術館。ロサンゼルス郊外の丘の上にあって、なんと無料で入場できる太っ腹な美術館。グランドキャニオンで日没を待っていたときに出会い、そして一緒に夕日を見損ねた西野君が教えてくれた場所だ。


展示品もそれなりのものが集められていると思うが、芸術音痴な僕には絵画鑑賞よりも明るくてモダンな建築に囲まれて過ごす時間が気持ちよかった。美術館からはロサンゼルスのダウンタウンや海を見渡すことができ、手入れの行き届いた庭では家族連れやカップルが休日のひと時をのんびりと楽しんでいる。治安の心配も必要なく、殺伐としたダウンタウンと比べると楽天地のようだった。


これだけの施設が寄付金とボランティアで成り立っているというのだからすごい。そういえば、キャンプ場のホストもボランティアが多かったし、公園に置いてあるベンチなんかでも大抵「これは○○年、△△氏によって贈呈されたものである」と書いてある。アメリカらしいと言えばそれまでだが、たいしたものである。


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広々と明るく設計されているゲッティー美術館


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敷地内にある庭やここからの見晴らしも素晴らしい


一朗君宅から車を十分ほど走らせるとビーチがある。太平洋の東の端っこでサーフィンを楽しんでいる人たちを見ながら、反対にある島国のことを思う。日本でアメリカという国は絶大な影響力を持ち、距離は遠くてもすぐ傍にはアメリカがいるような存在感と親近感がある。しかし、アメリカにおける日本は僕が考えていた以上にちっぽけだった。


旅の途中ですれ違ったごくごく一部の人だが、富士山すら知らなかったり、知ってる日本語といえばスシだけなど、幼稚な判断基準だけど、日本って一般のアメリカ人にとってその程度のものなんだろうと感じたのだった。


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近くのビーチにはサーファーが集まる


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嫁さんお気に入りのサーファー坊や


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隠し撮りしちゃいました


ブラジルでもアメリカでも自分でビジネスを立ち上げ成功させている一朗君は物事をよく知っていて、その広い知識を自分の中できちんと体系付けて一つの理論を語ることができる人だ。


完全なる自由経済社会を信奉している彼は、「税金が全ての悪の始まりだ」と言い切り、アメリカ建国時は自由経済を活発化させる仕組みが実によくできていたのに、様々な戦争を通じてその仕組みが政治家に都合のいいものに変えられ、どんどんひどい社会になっていると嘆いていた。


一朗君の話で一番興味深い、というか恐ろしいと思ったのは、不当に身柄を拘束されている人間の自由を裁判によって迅速かつ容易に回復することを目的とするヘイビアス・コーパス(Habeas Corpus)という法律が建国以来ずっと存在していたのに、昨年これを廃止する法案が議会を通過したという事実だ。なんだか第二次世界大戦前の治安維持法とだぶってくる話ではないか。


次期大統領候補も似たり寄ったりで「イラク戦争を直ちに停止する」と言い切っているのはロンポールという候補一人しかいないそうだ。民主党が勝てば変わるんだろうと僕は漠然と思っていたが、そうなっても表面的な言動が変わるだけで、民主党も共和党も根本は何も変わらない、とも。政治家の懐を暖め、権力を増強させるのに戦争ほど都合のいい口実はないのだ。


話が大きく逸れたが、経済や政治に対する視野を少しばかり広げながら、「ニ、三日お邪魔します」から始まった僕らの滞在は一週間に及んだ。おかげでメキシコに向けての充電もバッチリだ。


これから本当に旅が始まるという気がする。いざ!


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アンドレアが溺愛している愛犬ローズ


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最後の晩餐に連れていってもらったゴージャスなレストランにて


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本当にお世話になりました!



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