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◆夫婦で世界一周





写日記11.嬉しい拍子抜け

メキシコ(メキシコシティ)

2007年10月6日〜10日



ネットで探したらバスやフェリーを乗り継ぐよりもリーズナブルな航空券が見つかったので、ロスカボスからメキシコシティまでメキシカーナ航空でひとっ飛びした。


どんな町でも、初めて空港に降り立ち、タクシーに乗り込み、中心部へと移動しているときにはそわそわする。タクシーがちゃんと目的地に連れて行ってくれるか、料金をボラれないかを心配している。でも、窓を挟んで外とは隔離されているから、温室にいるような安心感もある。新学期の子どものように、微妙な緊張と楽しみが共存している。


メキシコシティーは灰色の空に覆われていた。バハカリフォルニアの青さが早くも懐かしくなる。空気は肌寒く、窓の外に見る都会は猥雑。信号待ちのときに寄ってくる物売り、ところどころコンクリートがはがれた道路、何の役にも立たないクラクション。


自分で言った覚えのあるホテルの前でタクシーが停まり、車を降りると、途端に町と自分を隔てるものは何もなくなる。本当の意味でメキシコシティに降り立つことになる。もう、そわそわしている場合ではない。ここはメキシコ一治安の悪い都会なのだ。


チェックインしたHotel Rioja(リオハ)は一泊270ペソ(約2,970円)とメキシコの物価からするとまあまあ安い割に、品のよいコロニアル建築で、交通至便、部屋も清潔、ホットシャワーも問題なし、フロントのオヤジもナイスガイと文句なしだった。


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部屋から見る街並み


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通りで何気なく撮った一枚


もう日暮れが近かったが、快適な寝床を確保してご機嫌な僕らはソカロに出かけた。ソカロとは町の中心部にある広場のことで、中南米の町のほとんどはソカロとカテドラル(教会)が並んで町の中心部を構成している。ソカロは昼夜を問わず、市民が憩い集う場となっており、ここで地元の人々の言動を眺めているだけでも飽きない。


中米一の都会であるメキシコシティのソカロはさすがに広大。しかも、子ども向けのイベントが催されていて大賑わい。周辺には多くの露店が並んでいて、冷やかしつつ歩くのも楽しい。そして嬉しいことに、この大都会に住むメキシコ人たちも、バハカリフォルニアの人たちと変わらず陽気だった。


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広大なソカロと壮大なカテドラル


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ソカロ周辺の露店を冷やかしながら歩く


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子ども連れの家族で賑わうソカロ


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カテドラル内部は必要以上に豪奢な気が……


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観光地であると同時に市民の祈りの場としても機能している


ホテルの周辺は地元の人が集まる食堂がいくつかあって食に困ることがない。中でもホテルの向かいにあったチキン屋は200円も出せば満腹になるので懐にも優しい。そして、英語が全く通じないそういう店で、一方的なスペイン語と身振り手振りで一生懸命接客されると自然と笑顔になってしまう。


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一番安く満腹になれたチキン屋


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チキンを頬張っているシルエット


日曜日、メキシコシティからバスで二時間のところにあるティオティワカン遺跡を訪問。日曜日は入場料が無料とガイドブックにあったので混雑も承知の上で出かけたのに、無料なのはメキシコ人だけだとか。無念。


遺跡にハマるには遺跡そのものの偉大さに加えて、シチュエーションが重要だ。天気、周辺の環境、静けさ、自分の体調などの条件が整って、鳥肌が立つほどの感動を覚えることができるはず。ちなみに僕はこれまで遺跡で鳥肌が立ったことはない。かの有名なマチュピチュやアンコールワットでさえも、あと一押し何かが足りなかった。


で、日曜日のティオティワカン遺跡といえば、無料狙いのメキシコ人たちでえらい混み様。世界で三番目に大きい「太陽のピラミッド」では、登り待ちの行列ができるほど。遺跡にハマるための雰囲気なんてどこにもなかった。


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手前が「太陽のピラミッド」、奥が「月のピラミッド」


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太陽のピラミッドを背景に


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こんなところで行列とは!


メキシコシティは物価も高いし治安も悪いから、ティオティワカンだけ訪れたらすぐに移動しようと考えていたが、街もホテルも居心地がいいし、嫁さんが体調を崩したこともあり結局四泊した。


その間、ちょこちょこと雑用や観光で各所へ出かけたが、治安の悪さを感じることは一度もなかった。街を歩いてると一分に一度は警官やガードマンとすれ違うし、むしろ安心感があったぐらいだ。さすがに地下鉄だけは、少し緊張感を持たざるを得ない雰囲気があったが……。


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地下鉄は少し雰囲気が悪い


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女の子と仲良く雨宿り中の嫁さん


世界一周航空券の日程変更をするため日本航空を訪ねたときのこと。これがまあ立派な建物で、たぶんメキシコ一賃料が高いと想像されるガラス張りの高層ビル。日本航空さん、こんなところにオフィス構えるぐらいなら安全対策しっかり頼みまっせ!と言いたいところだが、対応は素晴らしかったのでここではおとなしくしておく。


ビルのフロアに入るにはパスポートを預けてカードキーをもらうという厳重さ。エントランスでは仕立てのいいスーツに身をまとった男たちがスターバックスのカップを片手に商談し、少し険しい顔をした女性が速いペースで煙草をふかしている。


昼飯にセブンイレブンでサンドイッチを買い、電子レンジの列に並んでいると、おしゃれなお姉さんたちに「私たちはたくさんあるからお先にどうぞ」なんて流暢な英語でスマートな親切を受ける。これまでのメキシコとは別の世界だ。


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メキシコのエリートたち?!


僕らは博物館、美術館系に興味のある人間ではないが、世界でも有数といわれるメキシコシティの人類学博物館には行っておいた。


かなりの展示品があり一通り見て回るだけでも大変だが、その中で目に留まったのが、メキシコシティがテノチティトランと呼ばれる湖に浮かぶ都市だったころの俯瞰図だ。湖の中に整然と家屋が立ち並び、水路が張り巡らされた都市が浮かんでいる様子は「これをナマで見てみたかった!」と思うほど壮観。


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テノティトランの俯瞰図に見惚れる僕


ほかにも数多くの展示品があったが、その学術的価値は僕にはよく分からない。稚拙で恐縮だが、いかにユーモラスだったかという観点だけで選んだ展示品を以下にいくつか。


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志村けん?!


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ノリノリだぜぃ!


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笑う土偶 その一


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笑う土偶 そのニ


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笑う土偶 その三


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ちっこいおっさんの行水


メキシコにはいい意味で裏切られ続けている。ティファナでも、メキシコシティでも治安が悪いという評判ばかりが先立っていたが、町を歩いてみると人のよさに拍子抜けする。もちろん、僕らは運がよかっただけかもしれない。災難なんてわずかなタイミングのズレで出くわしてしまうものだ。


でも、僕らにとっては僕らが経験したこと、感じたことが全て。僕らはメキシコが好きだ。物価の高さを除けば、の話だけど。帰国して、金を貯めて、また遊びに来たいと思える。これからどのくらいそういう国と出会えるか、それもまた楽しみだ。



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