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◆夫婦で世界一周





写日記16.コスタリカ最高峰&最後の秘境へ

コスタリカ(チリポ国立公園、コルコバード国立公園)

2007年11月6日〜14日



カウィータからサンホセに戻り体制を整えたあと、小旅行第二弾としてコスタリカ最高峰のチリポ山への登頂に挑戦した。サンホセ南東部にある標高3,820メートルの富士山よりも高い山で、晴れ渡れば山頂からは東にカリブ海が、西に太平洋が望めるという。また、チリポ山を含む周辺一帯は世界自然遺産にも登録されている。


チリポのふもとにあるサンヘラルド村で一泊し、翌朝五時に起きて出発。標高3,000メートル以下のエリアは熱帯雲霧林といって、年中霧に覆われている森が広がる。この熱帯雲霧林がコスタリカの生物多様性を非常に豊かなものとしているが、登山者にとって快適な環境とは言い難い。


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まだ3キロしか進んでないんか〜、と愚痴りながら3キロ地点を通過


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多湿な気候がこんなきれいなコケ類を育んでいる


一日目に目指すべき山小屋までの距離は14キロ、標高差は2,000メートル近く。三日分の食料や自炊具もあるから荷物は結構重い。8キロ手前にある休憩所までの道のりは決して楽ではないが、まだ体力がある前半戦なのでいいペースで歩けた。


しかし、休憩所直後の急勾配とともに試練が始まった。公園事務所でもらった地図から勾配が急になることは分かっていたが、実際に歩くと「今日中に山小屋にたどりつくんか?」と不安になるほどペースダウン。嫁さんはレジャーシートに座りこんで休憩しているが、僕は重い荷物を降ろしたり背負ったりするのが億劫なのでステッキに体重を預けるようにして立ったままの小休憩を繰り返す。


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日本人特有なのか竹科の植物は心が和む


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雨で地盤が緩くなっているところも


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休憩所で食べ残しを狙う鳥。足にある黄色のポンポンが可愛らしい


遅くても歩いていれば前には進む。雲霧林を抜けると、高い木は徐々に少なくなり見渡しがよくなる。空も晴れていて気分爽快!といきたいところだが、そのころには疲労もピーク。高山植物が密生するエリアを抜けると最後の心臓破りの坂が。この長くきつい坂を上り、多少のアップダウンを繰り返すとようやく山小屋が見えてきた。


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雲霧林を抜けると高山植物がきれい


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だんだん高山らしい風景になってきた


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虹に喜ぶも、全身から疲労感が滲み出てます


標準的な体力であれば八時間で登れるところを僕らは十時間弱かかった。ほかの人に比べ休憩や写真撮影の回数が多いことが一因だが、スピードそのものも遅いに違いない。そして今回の荷物はほぼ僕らの限界量のようだ。やたらと疲れた一日目だったが、自分たちの体力をおおよそ知ることができたのは大きな収穫だった。


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なんとか一日目を終えて山小屋で英気を養う


二日目は山頂アタック。距離的には大したことないが、防寒対策をしっかりしておかないと痛い目に遭う。山小屋から山頂までは、背の低い植物だけが生えるパラモと呼ばれる地を進むことになる。人の手が及んでいない大自然という趣きはあるが、絶景というような風景でもない。山頂からの景色を期待しながら歩を進める。


チリポ山頂がちょうど見えてきたあたりから雲がかかるようになってきた。雲は絶えず流れているから視界が開けたり、狭まったりの繰り返しだが、山頂だけは常に雲に覆われている様子。その雲の中、最後は岩場をよじ登るようにしながらチリポ山頂に到達!


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パラモは歩いていて楽しい場所ではなかった


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嫁さんが指している上のあたりがチリポ山頂


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お疲れ!チリポ登頂達成!!


富士山より高いところにいるという実感はあまりない。気温は10℃を少し切ってるぐらいだが、吹きすさぶ風が冷たく体感温度はそれ以上に低い。雲に覆われた山頂からはほとんど何も見えない。


多くの登山者は登頂後一気に下山していくが、僕らはこの日も山小屋に泊まるので、簡単な昼食を取りながら山頂で晴れ間が広がるのを待つことにした。ときどき山頂付近の湖がくっきりと見えるほどには晴れるが、遠くのカリブ海や太平洋は見える気配がない。時間に余裕はあるが、寒さに耐えられず一時間ほどで下山することにした。


下山し始めると雲が一気に晴れてきて遠くにカリブ海が見えてきたので、慌てて山頂に戻る。するとまた雲の中。三十分ほど待ったのち、諦めて少し降りると雲が晴れる。三度山頂に立つも、やはり雲の中。次に下り始めて雲が晴れたときにようやく理解した。山頂だけにずっと雲がかかっているのだ。


少し降りれば視界はかなり広がるが、地形的に海まできれいに見渡せるのは山頂からのみ。そしてその山頂は雲に覆われたまま。こういう気難しさが山の魅力かもしれないけど、やっぱりきれいに晴れ渡った景色を見たかった……。


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これが僕らが見た一番の晴れ間


三日目の下山は上りに比べたら楽だが、途中雨が降り出してから様相は一転。ぬかるみにはまらないように、粘土質のところでは滑らないようにと気を遣いながらの下山は体力以上に神経が擦り減る。


一日目とはまた異なる種類の疲労を溜め込みながらの下山だったが、最後に霧に覆われた草地でうっすらとシルエットとして浮かび上がるウマが草を食んでいる風景は幻想的で美しかった。


あまりの疲れと天気の悪さに、楽しかった!とは素直に言い難いチリポ登山だったが、南米でのロライマ登山、パタゴニアトレッキングなどに向けての肥やしにはなっただろう。


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帰りは途中から雨に降られ散々……


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最後に見たこの霧の景色は山頂の景色よりも感動した


チリポからは、南に来たついでに太平洋側に向けてさらに南下しコルコバード国立公園まで足を延ばすことにした。ガイドブックでは「コスタリカ最後の秘境」と形容されており、ほとんど手つかずの熱帯雨林と豊かな海が広がっているところ。


非常に興味をそそられる場所だけど訪ねるとなると少し厄介。公園近くの海岸に建つリゾートホテルに泊まると高額。トレッキング目的で公園を散策するならそれなりの準備と覚悟が必要。チリポ登山で疲れた僕らは前者を選びたいところだが、それはあまりにも贅沢。ガイドブックに載ってる高級リゾートホテル以外にも手頃なものがあるのではないかと期待しながら、拠点となるシエルペの町へと向かった。


シエルペで探し回ると一人45ドル(三食込み)で泊まれる海岸沿いの宿泊施設を見つけた。二人で90ドルと僕らの予算からすると手痛い出費だが、このエリアにしては格安。その名もPoor Man's Paradise(貧乏人のパラダイス)。


シエルペからPoor Man's Paradiseまで陸路で行ける道はない。ボートでマングローブの生い茂る川を抜け、太平洋に出て荒波にもまれながら一時間ほど南下するとやっと到着。ビーチには桟橋なんて気の利いたものはないから、沖合いで小型のボートに乗り換え、波を見ながらタイミングを待つ。そのときが来たら、陸に向かって一気に加速、そして砂浜をスライディングしながら上陸。これが結構スリリングで楽しい。


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Poor Man's Paradiseへ向かうボートにて


海岸沿いのジャングルをガーデン風にきれいに手入れした敷地の中に、いくつかの宿泊棟が適度な間隔で配されている。敷地内だけでも大きなくちばしのトゥーカン(オオハシ)、ギャアギャア鳴きながら長い尾を空になびかせるマカウ(コンゴウインコ)、ヤシの実を食べているノドジロオマキザルなどが見られて楽しい。


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設備は簡素だけど贅沢な立地の部屋


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ハンモックで気持ちよさそうに昼寝してます


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Poor Man's Paradiseの敷地内でよく見かけたトゥーカン


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ノドジロオマキザルは愛嬌があって可愛い


夕方、人が集まっているので行ってみるとそこにはボア(大型のヘビ)が。毒はないらしいので調子に乗って触ってみると、意外なことに乾燥肌だった。


太平洋に沈む夕日は絵に描いたようで、夜には小さな光を瞬きさせながら飛び回るムシ(ホタルよりもっと小さな昆虫だった)が雰囲気を盛り上げてくれる。波音を聞きながら床に就くと、こういうところにいる自分の幸せをしみじみと感じた。


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これまた敷地内にいたボア


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太平洋に沈む夕日


翌日は沖合いにあるカーニョ島へのシュノーケリングツアーに参加。結果から言うとシュノーケルではホワイトチップシャークが見られたものの、水温が低くなかなかつらい遊びだった。それよりもカーニョ島に向かうボートから見たイルカの群れとクジラ(種類までは不明)に感動。この海の豊かさをまざまざと見せつけられた。


ランチのためにカーニョ島に上陸。島には気持ち悪いぐらいにヤドカリが多く、こいつらが無言で殻をカチャカチャとぶつけ合ってうごめいている様は不気味だった。島には大した見所もないので、ランチのあと僕らはビーチでひたすらシエスタ。


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イルカの群れと遭遇


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カーニョ島自体は特に何もない小さな島


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一匹だけなら可愛らしいが……


次の日は本命のコルコバード国立公園を訪ねるツアーに参加。Poor Man's Paradiseから二時間ほどボートに揺られてやっと到着。この日も途中でイルカの群れに遭遇した。ついた海岸はきれいとは言い難いが手つかず感はありあり。


ここでも実にいろんな動物に出会うことができた。リスザル、ノドジロオマキザル、スパイダーモンキー、コアリクイ、ナマケモノ、バク、アグーチ(大きなネズミ)、クロコダイル、モルファ蝶、鳥類の数々……。


そしてコルコバードの魅力はジャングルだけに終わらない。帰りのボートでは水平線近くで何度も胴体を水面に打ち付けるクジラが見えた。そしてPoor Man's Paradiseのビーチからも双眼鏡を覗けば遠くにクジラが。本当に豊かな海だ。


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野性的な海岸に到着


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青いザリガニ?


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コアリクイが樹上で昼寝中


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見るのが難しいと言われるバクにも遭遇!


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小さな羽虫に怯えるくせに自称ワニ好きの嫁さん


ただ僕たちはトルトゥゲーロとカウィータで既にたくさんの動物を見すぎていた。たとえ貴重な動物でも、一度見たことがあるとなると感動が半減してしまうのは事実。コスタリカでの動物ウォッチングにはお腹いっぱいになりつつある僕たち。次の小旅行はどうしようか……。



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