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写日記17.結婚記念日にかこつけてコスタリカ(アレナル火山国立公園、サンホセ) 2007年11月16日〜20日 コルコバードからHotel Petitに戻ってきた。コスタリカで残された時間は実質あと三日。コスタリカを代表するモンテベルデ自然保護区とマヌエルアントニオ国立公園には行ってみたかったが残り三日では厳しい。それにモンテベルデに広がる熱帯雲霧林はチリポで見たし、ガイドブックを読む限りマヌエルアントニオの雰囲気はカウィータと似てそうだ。 これまでに訪れたことのない類の場所で、かつ三日間で満足できそうなところという条件で考えて浮かび上がってきたのがアレナル火山国立公園。ここの火山は現在も活動が活発で、噴火や溶岩流を見ることができるという。温泉リゾートもあるというアレナルで、コスタリカの旅を温泉に浸かりながら振り返るのもいいかもしれない。 アレナル火山観光の拠点となるフォルトゥーナで火山見学のツアーを探す。僕らは11月15日の結婚記念日を言い訳に、一泊84ドルするHotel Volcano Lodgeというリゾートホテル一泊分を押さえた上で、火山見学と温泉リゾートそしてディナーがセットになったツアーに申し込んだ。 Hotel Volcano Lodgeは広大な敷地にいろんな花が咲き乱れ、鳥たちが集まってくるガーデン型リゾートホテル。このあたりのホテルにしては割安だが、僕らにとってはいちいち「おお〜」と声を上げて喜ぶほどの快適なホテルだった。部屋のガーデンからは天気がよければアレナル火山が正面に見えるはずなのだが、雲が広がっているため残念ながらその雄姿を拝めず。
チェックインして少しのんびりしてたらツアーのお迎えがやって来た。天気が好ましくないが、ガイドの「噴火を見れる可能性は十分にある」との言葉に希望を見出しながら出発。 火山に到着するまではちょっとした動物探しツアー。途中でハナグマの群れの撮影大会が繰り広げられたり、トゥーカン探しで盛り上がったり……。僕らにとっては、初めて見る動物はいなかったのでそれほどはしゃぐことはなかったのだが、ツアーに参加しているカナダのケベック出身のおばさん二人が異様にテンションが高くて、全員がそのテンションに飲み込まれてハイになっていた。
火山が見渡せる地点まではジャングルの中を小一時間歩く。ジャングルを抜けると、こけたら血だらけになってしまいそうな角ばった火山岩が埋め尽くす場所へと出る。晴れていればドーンと火山が目の前に見えるはずなのだが、依然として雲が厚い。
三十分ぐらい経ったころ火山を包み隠していた雲が少しずつ消え始めた。そして、火山からはときどき地を這った振動が伝わってくる。雲の中で溶岩が噴き出しているはずだ。そして、みんなが「あっ!」と声を上げた。僕は見逃してしまったが、燃えながら山の斜面を転がる溶岩が一つだけ見えたらしい。嫁さんに言わせれば赤い石ころが転がっていただけ、という感じらしいがそれでもいいから見たかった……。 そのあと再び雲が山を覆い始め、僕は何も見ることができないままツアーは終わってしまった。残念。噴火が見れなかった客には、翌日無料で別の溶岩流が見える地点へ連れて行ってくれるサービスがあるというのでそれに望みを託す。
僕らが奮発して申し込んだツアーは火山見学だけで終わらない。このあとも温泉とディナーという楽しみが待っている。 アレナルにはTabacon Resortという老舗温泉リゾートがあり、これは温水が流れる川をそのまま温泉として利用しているもの。贅沢な施設ながら、同時に自然の野性味も楽しめるという魅力的な温泉だが、僕らが申し込もうと思ったときには既に制限入場者数をオーバーしていた。ちなみにTabacon Resortはその人気に乗じて年々値上げを実施しており、現時点でなんと一人60ドルという法外な料金設定となっている。 僕らが利用したTitoku Hot SpringはArenal Kioroという五つ星リゾートホテルが有しているスパで、規模は大きくないが利用者を厳しく制限することにより生まれるプレイベート感を売りにしてる。ツアーを申し込んだ代理店の主人がここのオーナーと友人ということで、僕らは部外者ながらこの豪華な温泉リゾートに入ることができた。 八つのプールが階段状に並んでいて、一番上のプールに熱い源泉が流れ込み、下に行くほど徐々にぬるくなるというつくり。外国人は熱いのが苦手なようで、下のほうに集まっているので一番上のアツアツのプールは二人占め。ジャグジーで疲れた筋肉をほぐしながら、束の間の贅沢を楽しんだ。
次のディナーもArenal Kioro内の高級レストランにて。僕らの服装で入るのはためらわれたが、意外とTシャツ、短パンのアメリカ人が多いので救われた気持ちで席に着く。まさかこんな五つ星ホテルでの豪華ディナーとは思わなかったので、僕らは嬉しさと緊張で終始ヘラヘラ。結婚記念日を言い訳に存分に楽しんだ一日だった。
翌日、現実に戻った。Hotel Volcano Lodgeをチェックアウトしたあとは、フォルトゥーナの安宿へ。夜の火山見学に再度チャレンジしたがこの晩は雲どころか、雨まで降り出す始末。どうやらアレナル火山とは縁がなかったようだ。 噴火も溶岩流も見ることはできなかったが、温泉や豪華ディナー、快適なベッドでの睡眠でリフレッシュした体でサンホセ行きのバスに乗った。
サンホセ滞在もこれが最後。最初は思った以上に雑然とした町に失望したが、今では随分勝手も分かり、地図を見ずとも行きたいところには行けるようになった。住めば都、ではないけれど、やはり長くいた町には愛着が湧くものらしい。 この旅始まって以来の美味を味わわせてくれた中心部の中華レストラン皇朝の点心は既に二度食べていたが、最後にもう一度舌鼓を打ちに行った。しっかりとした下味が利いたプリプリのエビシューマイは本当に絶品。そして次の南米大陸に向かう前の節目として三ヶ月伸び続けた髪の毛も切った。
そして何よりもコスタリカの旅を安心、快適、充実したものにしてくれたHotel Petit。特に英語の話せるアレックスにはお世話になった。肝っ玉母ちゃん風のママ、一番愛想のいい掃除婦のおばちゃん、そして犬派を自称する僕に「ネコも可愛いかも……」と思わせた二匹のネコ。Gracias!
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