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写日記20.ラパ・ヌイ日記チリ(イースター島) 2007年12月8日〜16日 12月8日 サンチアゴ空港での夜明かし後、イースター島行きのLAN航空841便に搭乗。あちこちから聞こえてくる日本語。その正体はピースボートで世界一周をしている人たち。一気にベネズエラでの緊張感が消え失せた。
イースター島は現地語でラパ・ヌイと呼ばれる。僕らはラパ・ヌイで八泊の予定。キャンプ生活で経費削減を図るため、ハンガロア村にあるCamping Mihinoaにチェックイン。 ただのドライバーと思っていた男がMihinoaのオーナー、ロジャー。目の前は太平洋というロケーションのよさ。キャンプ場は半日本人宿状態。アンティグアのよくない記憶がよみがえる。
テント設営後、村のメインストリートを散策。早めの夕飯にマグロセビッチェとステーキ、缶ビール二本。四千円也……。明日から自炊で切り詰めることに決定。
ベネズエラから続いた三日間の移動(バス泊、バス泊、空港泊)の疲れには勝てず日没前に就寝。と言っても、もう九時過ぎ。 12月9日 本日のMihinoaのハポネス(日本人)たち。 夕方、近くのアフ・タハイ(アフ・○○はモアイスポット)まで散歩。海岸沿いにウソ臭いモアイが。モアイ以外にも意味不明な石の彫刻がたくさん。
やっと本物らしきモアイを見つけたが心の琴線はピクリともせず。ヤバい。この島であと一週間もやることあるのか?
12月10日 7時半に起きてケイ君、新ちゃん、そして僕らの四人で市場に。目当ては新鮮なマグロ。途中で大輔さんとレイちゃんも合流。 本日は豊漁。次から次と運ばれてくるマグロ。豪快に輪切りされたマグロの一切れを購入。ワサビ醤油で食べる刺身のうまいこと!
少しばかり昼寝をしようと思ったら、テントの中は暑すぎて眠れず。気を取り直して海岸沿いを散歩することに。するとMihinoaの愛犬が勝手について来た。僕らが彼に与えた名前はケン(後ほど本名がウリであることを知ったが僕らはケンと呼び続けた)。
大きな波が打ち寄せると穴から間欠泉のように波が噴き出す場所。ケイ君に教えてもらった観光スポットでもなんでもない場所だけど、モアイよりも夢中になってしまった。
軽い散歩のつもりが、火口湖が有名なラノ・カウ山まで足を延ばすことに。先を行くケン。僕らを見失うと探しに戻ってくる。賢い、可愛いヤツだ。
火口湖は全然期待してなかったが、モアイよりよっぽど見応えあり。水草が複雑な模様を水面に描いて、まるでどこかの惑星の地図みたい。
夜、レイちゃんの持っていた星座早見表を使って南十字星探し。流れ星もちらほら。やっと見つけた南十字星は夜空に瞬くきれいな十字架。けど、思ったより小さい。流れ星を一人見逃し続けた大輔さん。みんなが寝たあとも一人で流れ星探し。お疲れさん。 12月11日 マグロの刺身&酢飯の贅沢な朝食。今日島を出て行くケイ君とレイちゃんを見送りに空港へ。二人が去り、二人が現る。清水さんとパクさん、ウェルカム! 日本料理屋『甲太郎』でカツ丼を食べながらビデオ鑑賞。モアイ特集の『世界ふしぎ発見!』と、モアイ復元を実施した株式会社タダノのドキュメンタリービデオ。少しは勉強になったかな。
今ビデオで見たばかりのクレーンを見に行く。現役を引退し、放置され錆び付いたクレーン。青空は鮮やか。
モアイ巡りのためのレンタカーを求めて、新ちゃんと町を歩き回るが高い、高い。結局、Mihinoaでロジャーから借りることにした。 12月12日 毎日誰かが出て行く。今日は大輔さんが島を離れる日。大輔さん、パタゴニアのどこかで会いましょう!
レンタカーでのモアイ巡りは、清水さんとパクさんも加わって五人で出発!未舗装路もある島でのマニュアル車の運転を買って出たのは嫁さん。人の運転だと酔っちゃうから。 自称晴れ男の清水さんのおかげ?毎日スコールのように降っていた雨も今日は降らない。そしてのどかで雄大な景色。道路を横切る牛や馬。右手に広がる青い太平洋。「う〜みは ひろいな〜 おおきいな〜♪」と思わず口笛。 民族闘争で倒されたモアイ。風化で砂に戻りつつあるモアイ。運ばれる途中で放棄されたモアイ。それらは島の自然の一部となって、そこに存在していた。
モアイ製造所だったラノ・ララク。ここはすごい。制作途中や運搬途中で放棄されたモアイ約四百体が散らばっている。そのうち岩山のどこを見てもモアイに見えてくる。
十五体の大きなモアイが並ぶアフ・トンガリキも素晴らしい。タダノのクレーンで立ち上げられたモアイたち。全てが違う顔と体を持ちながらもデタラメな感じはしない。ある秩序が存在している気がする。
舗装路なのになぜかガタガタ。嫌な予感……、的中。右後輪のパンク。備え付けのジャッキでは高さが足りず、地元の兄ちゃんたちに助けてもらった。
その後もいろいろ回ったが、ラノ・ララクとアフ・トンガリキだけでも十分満足。最後に見たオロンゴからの夕日も悪くなかった。ラパ・ヌイ、すごいわ。モアイ、ナメたらあかんわ。
夜は元ソバ職人、コウヨウさんの手打ちうどんに舌鼓み。うどんはもちろん、ダシも絶品。ああ、幸せ。大満足の一日。
12月13日 朝日を見にアフ・トンガリキへ。雲が多くきれいな朝焼けとはならなかったがまあ満足。
朝のラノ・ララクも昨日とはまた雰囲気が違ってよかった。
一生分のモアイを堪能した感じ。モアイ@ラパ・ヌイは評判に違わず素晴らしかった。二日間ドライバーを務めた嫁さん、お疲れさんでした。 午後、Mihinoaでのんびりしてたら、右前足を負傷したケンが戻ってきた。現場を見ていた新ちゃんによれば喧嘩でやられたとのこと。しょげてる様子が痛々しい。
近くの漁港でマグロのカマを無料でゲット。それをロジャーが慣れた手つきで焼いてくれた。これまた絶品。夜は昨日の残りのダシを使った親子丼。グルメなキャンプ生活。
12月14日 午前中のんびりしたあと、午後から新ちゃんと三人で博物館へ。モアイについてのお勉強。日本語の説明文の充実振りに途中で睡魔が……。
帰りに郵便局でハガキ出して、パスポートにモアイスタンプを押してもらって、ソフトクリーム屋に寄って、あとはMihinoaでのんびり。「のんびり」はラパ・ヌイの正当な楽しみ方。 夜、怪我で気が立っているケンに噛まれる。飼い犬に噛まれた気分……。 12月15日 今日は特に予定ナシ。のんびり。 夕方、無性にチャリに乗りたくなってきたので、新ちゃん、清水さんと三人(チャリが三台しかなかったので嫁さんは待機)でアフ・トンガリキまでサイクリング。坂道しんどいけど、島の空気を肌に感じながらのサイクリングは最高!
何度見ても飽きないアフ・トンガリキ。もうこれが最後。しっかり見ておこう。
帰りのダートでチェーンが外れたけど手で直せた。どんだけ緩んでんねん!三人でアイス食べてる間に最高の夕焼けモアイを見逃すも、ラパ・ヌイに心残りなし!
僕らにとって最後の夜は清水さんの三十路達成日!心優しいパクさんがこの日のために残しておいたラム酒で乾杯。そして、みんなで材料を出し合って作ったカレーをがっつく。
ほどよく酔っていい気分。多分、みんなも。モアイの島でこういう楽しさを味わうとは思わんかったなぁ。 12月16日 朝からバタバタ。僕らの荷物の多さと荷造りの遅さにみんなからツッコミが入る。たくさんの視線を感じながらの荷造り。でもめげない。 これまで人を見送り続けてきた僕らもついに見送られる番に。けど、新ちゃんも清水さんも一緒の便なので寂しさは激減。 空も海も抜けるように青い。ちょっとだけ後ろ髪を引かれながらのいい日旅立ち。
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