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写日記56.砂の町、紅い海エジプト(カイロ、マルサ・アラーム) 2008年8月9日~8月17日 タンザニアのモシという町に立ち寄ってキリマンジャロだけ眺めると、急いでナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港に向かった。モシを夕方の4時に出て、夜7時に国境を越え、深夜0時にナイロビに到着。そのままタクシーで空港に向かい、未明4時に飛行機に乗り込んだ。座席に腰を下ろすと、離陸を待たずに眠りに落ちた。
目が覚めると飛行機は何もかもが砂でできたみたいな町の上を飛んでいた。もうカイロは近いのだろう。エジプトに戻ってきてほっとしている一方で、ブラックアフリカが遠い遠い場所になってしまったことを考えた。かの地で過ごした日々はすでに完全に昇華し、もうケチがつけられないぐらい僕の中で美化されている。 人生でいつかあの土地を再び訪れることがあるだろうか。「一度アフリカの水を飲んだ者はまたアフリカに帰ってくる」という有名な言葉がある。これはアフリカを愛した誰かが、再びアフリカに戻る日がやって来ることを願って自分に言い聞かせた言葉ではないのか。今の僕のように。
飛行機は砂の町に着陸した。約二ヶ月ぶりのカイロは大都会で、やはり刺すように暑かった。やたらと茶色い町やなぁ。コシャリ(米とマカロニとパスタと豆を混ぜ合わせたエジプトの大衆料理)が食べたいなぁ。二ヶ月前には全く思わなかったことだ。 空港からそのままバスターミナルに向かい、本物の紅海を見てやろうとマルサ・アラーム行きのバスに乗った。マルサ・アラームは開発真っ只中の僕らには分不相応な高級リゾート地だったが、ある程度の出費は覚悟して、成り行き任せで楽しむことにした。
マルサ・アブ・ダバブというビーチにはジュゴンが一匹だけ生息していて、運がよければそいつが海草を食んでる姿が見られるという。一日中、シュノーケリングで海に浮かびジュゴンを探したが残念ながら一緒に泳ぐことはできなかった。 その代わり、ウミガメを飽きるほどに何度も見た。シュノーケリングで沖合いに泳いでいくと、水深はおそらく30メートルぐらいにはなってると思うが、透明度がいいから海底に生えている海草までくっきり見える。 コバンザメを従えた巨大なウミガメが海底にへばりついて食事している。しばらくその姿をプカプカと浮かびながら眺めていると、ゆっくりとカメが泳ぎだす。思い出したように手足をときどき掻くだけなのに結構なスピードだ。 慌ててカメが浮かびあがってくる方向を目指す。カメと並んで泳ぐ。そしてプハーと水面から顔を出すカメの呼吸のリズムに合わせて僕らも顔を上げる。ウミガメとの一体感を感じているのはこっちの自意識過剰。二、三回呼吸をすると、僕らを置いてカメはまたゆっくりと海底に戻っていく。何もなかったように。 紅海は素晴らしかった。それは間違いない。グレートバリアリーフばりの穏やかでカラフルな海が広がっている。しかもダイビングでなくても、気軽にシュノーケリングでそういう海を満喫できる。そんな一級品の海を誇る高級リゾート地マルサ・アラームを僕らはヒッチハイクであとにした。
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